首都圏の中古住宅成約数・成約価格が回復傾向に
コロナ禍で成約数・成約価格が落ちていた中古マンション・中古戸建ですが、2020年7月の首都圏マーケット情報ではコロナ前の水準に戻りつつあります。また首都圏のみならず、近畿圏、中部圏も同様に回復傾向にあるようです。
首都圏の既存マンション価格は3,687万円(前月比0.5%上昇)となり、5ヵ月ぶりの上昇。都県別では、東京都5,120万円(同0.9%上昇)、神奈川県2,863万円(同0.2%低下)、埼玉県2,274万円(同0.2%低下)、千葉県2,111万円(同0.9%上昇)となった。東京は4月以来の高値を記録し、千葉県では3ヵ月連続の上昇となった。
近畿圏は2,458万円(同0.3%上昇)となり、3ヵ月連続の上昇。大阪府は2,651万円(同0.3%上昇)、兵庫県は2,173万円(同0.3%上昇)だった。大阪府は大半の行政区で上昇した。
中部圏は1,952万円(同0.4%上昇)。愛知県は2,084万円(同0.2%上昇)と引き続き上昇した。
【グラフで見る】コロナ前後の首都圏中古住宅の成約数・成約価格の推移
首都圏の中古住宅流通の成約数・成約価格の推移を、視覚的にわかりやすいグラフで見ていきましょう。
マンション
(出典:東日本レインズ)
上記グラフは、首都圏の中古マンション成約件数の推移を表したものです。(赤線)
緊急事態宣言が発令された4月に急激に水準を落とし、7月に向かって急上昇していることがわかりますね。2020年7月は前年同月比-2.4%ですが、4月に-50%以上と大きく成約数が落ちたことを考えれば急回復しているといえるでしょう。
(出典:東日本レインズ)
こちらは、平米単価の推移を表したものです。(赤線)
実は首都圏の中古マンション価格は、緊急事態宣言下だった4月もそこまで大きく価格が落ちず、5月には前年同月比でプラスに転じ、7月には+4.7%に上昇。3ヶ月連続で前年同月比を上回っています。7月の水準は、6月と比較しても+4.8%と上昇傾向にあります。
一戸建て
(出典:東日本レインズ)
一方、首都圏の中古戸建の成約数も、マンション同様に緊急事態宣言下では急落しましたが、こちらも大幅に回復。7月には前年同月比+2.4%となっています。
(出典:東日本レインズ)
価格については7月もいまだ前年同月比-2.1%となっていますが、グラフを見ると回復傾向にあることがわかります。
首都圏の中で地域差も
首都圏全体で見ると、中古マンション、中古戸建ともに成約数・成約価格はコロナ前の水準に戻りつつあるといえます。しかし、地域別で見てみると状況に違いがあるようです。
都市部では回復が鈍いか
(出典:東日本レインズ)
上記図は、中古マンション成約件数の前年同月比を地域別で見たものです。東京区部・横浜・川崎市など、比較的、都市部を中心にマイナスの数値が大きいといえるでしょう。
(出典:東日本レインズ)
上記は中古戸建の成約件数ですが、やはり東京区部・横浜・川崎、そして埼玉県でマイナスの数値が大きいです。その一方で、東京多摩・横浜川崎以外の神奈川県・千葉県ではプラスの数値が大きく、戸建てはとくに郊外の需要が増加傾向にあるといえるでしょう。
まとめ
まだまだ新型コロナウィルスの猛威は収まりませんが、中古住宅の成約数・成約価格は回復傾向にあるといえるでしょう。とはいえ、依然として成約数が低い地域や逆にコロナ前よりも需要が高まっている地域など、エリアによって状況が異なります。
引き続き、価格・成約数ともに変動が大きいことが予測されます。ご所有の不動産の売り時を決めかねている方は、売却査定によって「今いくらで売れるのか」を知ることから始めましょう。物件種別やエリアによっても今後の見通しは異なります。“不動産のプロ”の見解を聞くためにも、ぜひ一度弊社までご相談いただければと思います。感染対策を万全にしてお待ちしております。もちろん、電話やメールによる非対面での相談も受け付けております!
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